施設に暮らす中高生に、どのような大人を尊敬しているか、好きかと聞くと、皆口を揃えて言うのは、『子どもの話(意見)を聞いてくれる大人』でした。
子どもの意見や話を聞かないとこうなる
施設の職員の中には、子どもに対して、正論をぶつけて叱ったり、子どもの言い訳を否定して議論を続ける職員もいます。そのような職員は、子どもから、
『あの人は、自分の言い分を聞いてくれない』
『あの人は、自分のことなんて分かってくれない』
と思われてしまい、最終的には、職員が『あの人に何を言っても無駄』と思われてしまうこともあります。子どもがこう思ってしまうと、子どもは心を閉ざして何も言えなくなってしまいます。
本田健さんのアドバイス
私が本田健さん(『ユダヤ人大富豪の教え』著者)に、子どもとの関わりについて相談した時に、本田健さんが「世の中には、自分が子どもをこうしてやろうと企んでいる大人もいますけど、そういう大人が側にいたらあなたも嫌でしょ。まずは子どもの話を良く聞いて、その子どもが心の奥底で望んでいることや、ネガティブになってしまう原因を一緒に見つめるようにしてみてください」と言っていました。本田健さんのお話を聞いて、子育てとは、大人が引っ張っていくような指導ではなく、大人も子どもも対等になって、お互いの意見を聞き合って尊重し合いながら話し合って成長していくものではないかと言うことに気付きました。
私が尊敬していて、子どもからも好かれている職場の上司
私が尊敬していて、子どもからの信頼も厚い上司は、必ず『〇〇さんはどう思うの?』と意見を求めてくれ、それを受け入れてくれます。上司にこのような関わりをされた私は、『自分のことも大切に想ってくれる』『自分のことも大切にしてくれるこの上司のために、私もがんばろう』と思うことができます。この上司のおかげで、今の自分があると思う程、心からこの上司には感謝をしています。
お母さんは、いつも、どんな話も聞いてくれた
私のお母さんは、全く私のことを否定せずに、聞きたくないような私の不平不満を20年近く聞いてくれました。ある時お母さんに「私の(ネガティブな)話聞いてて嫌な気分にならないの?」と聞くと、お母さんは「めぐちゃんが幸せで生きてくれれば私は幸せだよ。」「(私にとって)嫌な奴やっつけたい」と言ってくれたのです。その時私は、私の幸せを心から想ってくれるお母さんの存在に気付き、心の底から幸せだと思うことができ、これ以上のものはいらないなと思いました。
あなたは、子どもとコミュニケーションをする時にどのような投げかけを心がけていますか。私は、まずは子どもの話を聞く姿勢から改め、良く子どもの話を聞く存在でありたいと思いました。