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児童養護施設の子どもの悩み

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 母性を感じることが難しい

児童養護施設の職員は子どもに対し、自立を目指した関わりをし「自分でできることは自分でしよう」と促します。そのため子どもが特に幼少期の頃体験する、無条件に子どもの面倒を見てもらい、甘えるといった体験ができません。そのため子どもは『自分のことを無条件に愛して大切にしてくれる存在がいる』と言う安心感を得られない場合が多いと考えています。ある高校生は『今自分がこんなに忙しいのに職員は何も助けてくれない』と不満を感じると打ち明けてくれました。

大人ときちんとしたコミュニケーションができない場合が多い

施設では、子どもが自分の考えを大人に話せず、我慢をする場面をたくさん見てきました。私には話しても、施設長には「怒られるのが嫌だから内緒にして」と言うこともありました。施設入所をしている子どもは、虐待経験をしている子どもが6割と多く、大人の暴力や怒りに対して恐怖心を抱いている子どもも少なくありません。また入所前まで、自分の意見を言うことをしてこなかった子どもが多いと考えています。そのため、ちょっとしたことや、困っている時も、職員への相談を諦め、伝えられないことが多いのです。思っていることを話せないから、コミュニケーションや議論の練習ができない。私は、『他人の意見を聞き、自らの意見をきちんと伝え議論するコミュニケーション力』がどの年代にも必要だと思います。そのため、大人は自身の考えを伝える前に、子どもの発言に良く耳を傾け、『あなたの考えを聞きたい』と言う姿勢を見せることが大切だと考えています。

大人が入れ替わりする環境が不安を招く

私の勤務する児童養護施設では小規模施設がいくつもあります。子どもも少人数ですが、職員も少人数で、3、4人で交代して宿直勤務をしています。施設では職員の入れ替わりが激しく、そのため異動も頻繁にあります。一緒に住む大人が入れ替わりすると、子どもの心も落ち着かなくなります。そのため、子どもは『今日の泊りの先生』をいつも気にしています。 

規則が多く、融通が利かない場合が多い

私が働く施設は子どもの入浴時間や消灯時間が決まっています。そのため『たまには(ルール通りにやらなくても)いいか』と言ったような融通が利かないことが多いのです。また、外出する時は、外出許可願いを書き、施設責任者数名に許可を得なければならず、私の施設では、外泊も認められていません。ルールや縛りが多い施設では、子ども達にもストレスがかかっています。

金銭面で不自由な子ども

東京都の児童養護施設は、都が子どもに対し、年齢に応じた小遣いを提供しています。また施設では、子どもが貯金を引き出して使用できる小遣いが決められています。それは、子どもが施設を卒業した後、経済的に困ることが無いようにお金をしっかりと貯めるためです。しかし、特に高校生ともなると、友人に誘われテーマパークなどに行ってしまうと、入場料だけで1か月で使用できる小遣いの殆どを使用してしまいます。そのため友人の誘いを断ることも多く、一番遊びたい高校生時代に、思う存分遊ぶことができません。高校生の子どもは、「友達は携帯代も旅行代も、友達と遊ぶお金も親が払ってくれるのに、私は全部自分で何とかしなきゃいけない」と不満を漏らしていました。ある子どもは、お金の使用を我慢をしてストレスが溜まり、その反動で施設を卒業してから金遣いが荒くなり、数か月で100万円の貯金の底がついてしまったと言う話を聞いたことがあります。

私は、施設で暮らす子どものストレスが少しでも軽減し、できるだけ子どもが親のいる家庭と同じような満足感を感じてほしいと考えています。ルールを変えて自由にさせると言うことは難しいですが、子どもが「ルールが厳しいから施設が嫌」と考える状況から、「今施設で暮らしているけど楽しい、幸せだ」と思う瞬間を増やしていきたいと考えています。