ムーギー・キムら著書の『一流の育て方』では、200人を超える、東大・京大・早慶を中心とした学生の中で、学生時代に突出したリーダーシップを発揮してさまざまなグローバル企業に進んだ学生に、両親の家庭教育で感謝している点、直してほしかった点を記述してもらったアンケートから、どのような家庭環境が、成人してからのリーダーシップを育むかに焦点を当てたものです。
1.本書の構成
本書では、重要なトピックを7大方針で全て包括しており、子育てに奮闘するあなたも学ぶことが多いと思います。
①主体性を伸ばすには
②視野を広げ、転職に導く
③やり抜く力を育む
④一流のコミュニケーション能力を磨く
⑤自分から勉強するようになる関り
⑥勉強以外の勉強をさせる
⑦無償の愛情を感じさせる
今回は、学ぶ力を育む方法、コミュニケーション能力を養う方法について紹介します。
2.自ら勉強する関わり
まず大人が学習習慣を身に付ける
大人から勉強しろ、とガミガミ言われると、子どもは大人のために勉強していると思ってしまいます。著者は次のように言います。
子どもにとって最も大切な勉強環境とは、そばにいる親自身が「学習習慣」を持っていることです。私の友人で大学教授をしている方々や、知的で人間性も優れていて“自主放任”をうたっている方々を見ていると、一つの共通点があります。彼らや彼女たちは、子どもに勉強するように言葉で言うことはないものの、自分自身が常に本を読み、学習する姿を見せているのです。ここでも、やはり子どもは親の影響を強く受けます。
アンケート結果では、「最初の学習習慣は親からつけられた」という回答も多かったです。一方幼少期の頃から厳しく学習を管理されると、勉強が習慣化されるようになると言うのです。
勉強のメリットを教える
子どもに意思がないのに、親が騒ぎ立てても何も生まれません。私の親は私が勉強したくなるように、勉強をするといろいろな職業に就けるという話をしてくれると同時に、勉強のための環境を整えるなど、モチベーションをコントロールしてくれました。(東京大学教育学部Iさん)
アンケートでは、その他、あなたが勉強しておけばよかったと言うエピソード話してくれた親もいて感謝していると言う言葉がありました。また、勉強を一生懸命したことで、人生を楽しんでいる有名人や知人のエピソードを教えてあげてもいいかもしれません。私がこの話を子どもにすると、子どもはとても興味深く話を聞きます。
3.一流のコミュニケーション能力を磨くためには
何歳になっても、どんな場面でも必要なコミュニケーション能力。それを養うためには、親の関わりが大切です。本書では、子どもを社交の場に参加させる、書く習慣を身につけさせるなどが紹介されていますが、私は、親が『小さいころから何でも話せる相手になる』ことが特に大切だと思いました。
子どものコミュニケーション能力を育むうえで一番大切なのは、やはり“親にはなんでも話せる”という信頼関係です。アンケートでも多くの学生さんが、親が幼少期から十分コミュニケーションを取ってくれたことに感謝の気持ちを述べています。子どもが困ったり悩んだとき、相談できる親であるためには、子どもから“なんでも話せる相手だ”と信頼されていなければなりません。
私が取り入れたいと思ったのは、食卓や居間で、さまざまな議論を楽しむことです。京大経済学部のMさんは、次のように話します。
私が幼いころから両親はよく、食卓や居間で、文化論や政治論議を楽しんでいました。私がその輪に入るのも自然の流れで、その中で自分流の価値観や話し方が養われたと思っています。
著者は、このような議論を取り入れ、あなたが反論を素直に受け入れる姿勢を示すことで、反論は人格否定ではないことを伝え、建設的な議論のマナーを学ばせることができると言います。ビリギャルの母も、論語に出てくるエピソードなどを取り上げて、子ども達と議論をしたと言っています。今後私は、子ども達に対し、最近気になったニュース、最近読んだ本について、自分が悩み考えていることなどを中心にして、子どもに意見を求めてみようと思いました。
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