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学ぶ力を支える「子ども力」

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『声に出して読みたい日本語』がミリオンセラーとなった著者の斉藤孝先生。斉藤先生は、子どもの持っている「子ども力」をしっかりと身に付けさせることが、その後の人生で伸びる人間に育てることに繋がると言っています。本書には、子どもが持っている数々の力が、将来どのように活かせるかを学んでいきたいと思います。

1.子どもといることは、あなたが「子ども力」を取り戻すチャンス

〇斉藤先生の教え

斉藤先生は、次のように言います。

子どもがかわいい、だから自分はがんばるという大人としての自覚は素晴らしいことですが、子どもから受けるもう一つの影響として、子どもを見ていてこちらまで元気になってくるというそのパワーを大人の生活にも活かしてほしいのです

本書には、子どもが持っている力である、『没入力』、『背伸び力』、『見立て力』、『甘え力』、『ないた子がもう笑った力』、『繰り返し力』、『つられ力』などが紹介されています。大人がこれらの力をつけることにより、生きる力の強化に繋がるのですね。

〇施設で私が子どもから学んだこと

私は施設で、子ども達から毎日たくさんの事を学んでいます。例えば、

①大人から注意された時も、冗談や面白い事をしてその重い雰囲気を一掃しようとする『吹っ切り力』

②勉強中やご飯中に、近くにある物が気になってしまってそれに夢中になってしまう『好奇心旺盛力』

③略語や造語など、言葉をいじったり、会話の中で言葉を重複させてギャグを言うような『言葉遊び力』

④お金はないけど、その中で自分で工作をして何とかやりくりしようとする『やりくり力』

⑤ゴミでも何でも遊びに変えてしまう『おもちゃ力』

など、数えきれないことを子どもから教えてもらいます。あなたも、『今日は子どもはどんな事を教えてくれるのかな』『今日はどんな面白いことをするのかな』と言う楽な気持ちで接することで、たくさんの事を学べるのではないかと思います。

2.タフな子に育てるコツ

〇斉藤先生の教え

斉藤先生は、遊び感覚により、仕事の持続力が強化される、そのため幼い頃に「子ども力」を伸ばすことで、「遊ぶこと」=「学ぶこと」という図式を体系的に学んでおく必要があると言います。

厳しい難問があった時に逃げてしまうのは、その難問を遊べていないからです。遊び心のある人は、難しい問題を観た時にチャレンジしていきます。逆に、遊び心がなくただやらされている、お勉強ばかりの子どもは、自分の力量では足りない問題を見た時に勇気が出てきません。楽しんでチャレンジする気持ちがわきにくいからです。社会に出ると、チャレンジを必要とされることが多く、自分にとっての逆境や課題をむしろたのしむメンタルタフネスを子どもの時に培うかどうかが、評価の分かれ目にもなってきます。

〇遊び心のなかった私が遊び心を身に付けられたきっかけ

私はシャイで創造性も遊び心もない子ども時代を過ごしました。今でも覚えているのは、幼稚園の父親参観の日。大きな模造紙に、子ども達が海の中の生き物の絵を描く遊びで私は小さな魚しか描けず。父親に「なんであれだけしか描けなかったのか」と言われたことを覚えています。子ども時代怒られて育った私は、「怒られるのが嫌だ」と思って人の目を気にしていたのだと思います。しかし、高校時代にバドミントンと言う、思いっきり楽しめる遊びと出逢えたのです。部活後毎日自主練をする程バドミントンにのめり込んでいました。私は、点数を取られても次のラリーに集中する『ふっきり力』、仲間を応援する『応援力』、後でも先でもなく、今のラリーに集中する『今に集中する力』、部内で一番弱いところから、県大会で戦えるような選手となり、周りを驚かせる『逆境力』など、バドミントンと言う遊びから、今後の人生に使える技を身に付けることができたのです。ここから、私はのめり込む遊びからは、人生を後押しするような学びが得られることを知りました。

3.創造力にあふれた子どもに育てるには

斉藤先生は次のように言います。

一つの世界の中に奥深く入ってしまって、そのなかで楽しみきれてしまうのは子ども独特の能力です。一つのワールドに没入する「没入力」は子どもの方が圧倒的に強いのです。そういう時、「そんなしょうもないことばかりやっていないで、勉強しなさい」と親や教師はつい言ってしまいます。しかし大人が否定する子どもの没入力が、時としてものすごく大きな力になることがあるので、それをやめさせてしまうのはもったいないのです

子どもは夢中になると、自分の世界を作り出したり、ストーリーを作り出すことがあると斉藤先生は言います。大人は、子どもがどんな遊びををしているのかを良く聞くことで、子どもの創造性に触れ、創造力を磨くことに繋がると思います。また、堀江貴文さんも、元マイクロソフト社の中島聡さんも、学生時代にプログラミングにハマりまくり、世界で活躍する人となりました。今はどんな遊びが、ビジネスに繋がるかもわからない時代。『こんなこと、何の役に立つの?』という考えから、『この没入力、いつかきっとこの子の力になる日が来る』と考えられると、大人もイライラせずに子どもに関われるのかなと思います。

私は本書を読み、子どもが持っている力がその後の人生の大きな力になることを学びました。まずは本書で子どものことを理解し、不要と思っていた子どもの力を尊重することから始めてみたいと思うことができると思います。『なんで子どもは・・・』と子どもに対してイライラしてしまう時に、お勧めの一冊です。