産後の孤独感やイライラ、夜泣き、イヤイヤ期、人見知り、ギクシャクした夫婦関係・・・。出産後におこるこれらの現象を科学的に分析し、その解決策を提案したのがこの本です。この本を読むと、『悪いのはママではなく、出産を経てのホルモンバランスや体質の変化によるものが大きい』と言うことが分かりました。
1.本書ができた経緯
本書は、2016年放送のNHKスペシャル「ママたちが非常事態」をもとにして出来上がりました。この番組は、なぜママたちはそんなに辛いのかと言う根本的な理由に迫ったものです。その理由を知るだけで、結果的にママたちの気持ちがほんの少しラクになるのではと考えたそうです。
2.家族の『困った』を助けてくれる本書
以前、産後の落ち込みは女性ホルモンの影響 や産後のイライラは女性ホルモンの影響
で紹介したように、産後の上手くいかない事や困ったことには、ちゃんとした理由が存在するのです。例えば、産後の孤独感や不安感は、エストロゲンと言うホルモンの激減によるもの。エストロゲンが減少するのは、昔から培ってきた『共同養育』を促すためだそう。そもそも人は、1人2人で子育てをしてきたわけではなく、他者(近所の人や親族)を巻き込んで養育する生活を送っていたとのこと。ママは、他者に助けを求めるために、孤独や不安を感じるエストロゲンが増えているのですね。
このことが分かると、女性は孤独感は自分だけが持っているわけではないと安心することができると思います。また男性は『産後の女性は寂しい気持ちになりやすいから、それを満たすために何ができるのか』を考えることができると思います。
3.理由がわかると安心するワケは・・?
そもそも理由が分かると安心するのはなぜでしょう。。私が数年前、原因不明のイライラや暴飲暴食で悩んでいた時に母から「それってPMSじゃない?」と言われました。自分の性格がそれを引き起こしているわけではないと気付いた時から、かなり安心しました。その後PMSの対処法についてを調べ、試行錯誤を繰り返して今ではPMSに悩むことは殆どなくなりました。現象や得体のしれないものの原因が分かることで、悪いのは自分の性格ではなく、体の仕組みから来るものなんだと安心することができたのだと思います。
しかも本書の素晴らしいところは、不安定なママに対して、パパがどのようにして関わっていったらいいのか書かれているところです。ママだけではなく、パパにもこの本を手にとることをお勧めします。ママを一番支えられるのはパパの存在だからです。
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