先日読んだ本『ワンオペ育児』で感じた育児不安。。これをを払拭するような育児法を提唱してくれているのが、『育児は仕事の役に立つ』。本書は、現在、6割を占める共働き世帯において、夫婦を中心とする育児(チーム育児)が仕事における業務能力を高めると言うポジティブな考えを提唱しています。今回は、チーム育児がどのような能力向上に繋がるのかを学んでいきたいと思います。
チーム育児により高まる夫婦の能力
本書で提唱する“共働き夫婦におけるチーム育児”とは、子どもの世話などの育児の実行に加え、次の3つが大きなウエイトを占めます。
〇協働の計画と実践
パートナーとの役割分担の決定・見直し・再調整
〇育児情報の共有
情報共有や育児方針の話し合い(ホウレンソウ)
〇家庭外との連携
育児支援サービス提供者らとの関係構築や日々の連携
著者らの研究から、『協働の計画と実践』 、『家庭外との連携』を積極的におこなうことにより、親となってから以降のリーダーシップの発達にプラスの影響を与えていると言う結果が得られました。
夫婦ともに『育児=ひとつのプロジェクト』として捉え、お互いの価値を共有し合い、そのプロジェクトを成し遂げるチームと言う認識を持つ。育児プロジェクトは仕事の流れと全く同じで、その目標に向かい役割分担・スケジュール調整などをしていく。報告連絡相談をし、課題があればそれについて話し合う。家事育児に参戦しにくい男性は、本書のような説明を受けると、『家事育児って、仕事と一緒なんだ』と思うことができ、未知の世界に対する不安感も低減するのではないかと思います。
チーム育児により向上が期待できる妻の能力
妻の能力向上として期待できるのは、頼る力です。女性は責任感も強いし、男性よりも丁寧で迅速な家事育児ができる傾向にあるため、夫が仕事で忙しく家事育児参入が難しい場合、『一人で頑張らなければ』と思ってしまいがちです。そのため、家事育児だけではなく、子どもの情報も一人で抱え込んでしまう傾向があると著者は言います。その結果、余計に父親が家事育児に参入しにくい状況を作っているのです。
元は何でも一人で抱え込んでしまい、人に頼るのが苦手だった著者の浜屋さんは次のように言います。
共働き育児を通して、自分ひとりではどうやっても立ち行かないという壁にぶつかった時に、「人は頼っていいものなんだ。一緒にやっていく仲間をつくって、頼っていいんだ」とマインドセットが変わりました。そこからは、自分ひとりじゃ回せないから、夫に頼るし、友達にも頼るし、保育園にも頼るし、病児保育にも頼るようになったんです。結果、物事がうまく進んだというミニ成功体験をたくさん積むことができました。そういう経験を積むにつれ、職場でも、「自分は5時までしか働けないけど、ここは他のメンバーより得意だから、ここはしっかりやろう。あとは他の人にお任せしよう。そのほうが、結果的に早く高い成果が出せるはず」という発想ができ、実際職場でもお願いしたり、任せたりすることができるようになったように思いますね。
著者らの研究により、女性が頼る思考になると、育児の体制作りにプラスの影響を与えることが分かっています。あなたが殆どの家事育児を一人で頑張っている場合は、まずは夫に1つ家事か育児を頼むところから始めるのが良いかもしれません。
チーム育児により向上が期待できる夫の能力
夫の能力として向上が期待できるのは、効率化力です。本書の著者である中原さんは、妻の残業を応援するために、週に1回父親だけで保育園の迎えから寝かしつけまでをおこなう”パパデー”を実施。それに加え、週に3~4回保育園の送迎や、早朝に子どもに学習指導をしているそう。子どもの送迎時に、どれだけ早く保育園を出ることができるかを試したり、職場の1時間を予定していた会議も、どうしたら45分で終わるかの時間短縮を考えるそうです。終わりの時間が決まっていると、常に効率を意識できるようになるのですね。
どうしたらチーム育児ができるようになるのか
本書では、出産直後から、チーム育児を意識した関りが必要であり、保育園探しから夫婦2人でおこなうことを提案しています。今回学んだこと以外にも、本書では数えきれない程のメリットが紹介されています。『ではどのようにチーム育児をおこなっていくか』の具体的な方法も紹介されているため、子育てをする方には是非読んでいただきたい一冊です。
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