今回は、樹木希林さんの『一切なりゆき』を参考にしています。
自分にマイナスな影響を与えるように思える人間関係について、樹木さんが考えていることについて学んでいきます。
夫婦関係は人生修行
樹木さんは内田さんと結婚しましたが、1年半後に別居し、その後40年以上も同居することがないまま人生を終えました。結婚当初、一緒に暮らしていた頃2人は大喧嘩。言い合いだけでは済まされず、お互いが手を出していて、血が流れたり骨折することもあったそうです。しかし樹木さんは、内田さんと距離感を調整しながら、夫婦と言う関係を続けました。樹木さんは夫婦について、次のように言います。
どんな夫婦だって、互いが互いのダイバダッタなんじゃない? 人は一人で生きていかれないこともないんだけど、伴侶と出会うことで生じる摩擦にどう対処するか、どうやって自分の気持ちに折り合いをつけていくかってのは、わりかし大事な人生修行なんじゃないかと思いますね。(省略)
だからといって、夫にこうしてほしいとか、こういうことはしないでほしいとか思わないというわけではなく、思わないようにしているの。不満やいらだちを抱えて葛藤するよりも、「いや、私は何も望んでいない」と急いで思考回路を切り替えるようにしてます。自分のことだってわけがわかんないのに、他人である夫に対して期待するってのは、虫のいい話なんです。「私はわけがわかってます」という人は傲慢。自分は正しいんだから、なんて意地を張らないほうがいい。大勢に影響はないんだからと考えて、さっと譲ってしまえば楽になります。
生きていれば誰でも、家庭内や職場の人間関係に悩んだりすることがあると思います。しかし樹木さんは、悩みの種の存在を提婆達多、修行として捉え、その時に樹木さんができることに焦点を当てられたのではないかと感じました。
最近私は、他人に対しての不満を抑えられないでいる時があります。『私はここまではやっているのに、あの人がやってくれないせいで上手く回らない』と思ったり、配慮しないことに対して苛立ちを感じたりすることもありますが、樹木さんの言うように、自分は正しいと傲慢な気持ちになっているのではないかと言うことに気付きました。自分ができる限りのことをして、それ以上は望まないように、思考を切り替えていこうと思います。
むすび
『夫婦関係を修行と捉えるように、自身の属しているコミュニティや職場環境を修行と捉えていくことで、人として成熟していけると考える』と言う視点を持つ事ができれば、たとえ価値観の違いや理不尽さを感じても、修行と捉えて頑張る事ができるように思いました。
また、過去に思い出したくないような嫌な思い出や人を、いつかは提婆達多と捉えて楽に生きたいと感じました。