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子どもが社会的なルールを守る基盤をどのように育てるのか

今回の話は、『人間が社会的なルールを守りながら生きていくために、その基盤をなす重要な感情』が、どうしたら形成されるのか、研究した人の話です。

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ソーシャルリファレンシングと言う概念

乳幼児精神医学のロバート・エムディは、さまざまな成育環境で育った子どもを、乳幼児の時から、思春期・青年期までの追跡観察をおこないました。

その中で、親の育て方によって、『ソーシャルリファレンシング』と言うものの育まれ方が違ってくる、と言う事を発見しました。

ソーシャルリファレンシングのソーシャルと言うのは、社会的なと言う意味。リファレンシングと言うのは、参考にする、と言う意味。人間が共感し合い、そのことを誇りと感じ合って生きるために必要な感情との説明があります。スキンシップのように、日本語ではあまり表現できないような言葉ですが、この『ソーシャルリファレンシング』と言うものが育まれると、他者へ配慮ができたり、社会のルールを守れるようになるらしいのです。

ソーシャルリファレンシングの育ち方

産まれたばかりの赤ちゃんは、社会や物事に対し、どのように対応していったらいいのかが何も分かっていません。そのため、動き回ったりして初めてのものに出くわすと、大人の方を見るそうです。その時に大人が子どもを見守り、対処の方法を教えていくことで、ソーシャルリファレンシングが育まれるそうです。

また、自分がはじめてできたことがある時も、子どもは大人の方を見ますが、これは子どもが『できたよ!見て!』と言う誇りの気持ちを持って大人の方を見るのです。その時に大人から褒めてもらえたり、喜んでもらえると言う経験を通して、誇りや喜びを分かち合う経験をします。

このように、さまざまな出来事があった時、大人が見守ってくれ、それについてどう対処したら良いか教わることで、ソーシャルリファレンシングが育つそうです。

日本心理医学会の岡本百合さんは、『子どもが不安をもった時など、その不安を共有してあげられるあたたかい経験がどれだけあるかによって、社会的ルールを守ることができるかが左右される。自分を大切にできると、相手を大切にできるようになり、社会全体を大切に思えるようになるのではないでしょうか』と言います。 

私は本を読んでも、完全にはこの概念を理解できずにモヤモヤしているのですが、私の解釈としては、『幼児の頃に、人から大切に見守られ、不安な時は助けてもらい、嬉しい時は一緒に喜んでいる満たされた経験をしてきた子どもは、人を大切にし、他者を満たすことの価値を学んでいるため、人や社会への配慮ができるようになるのではないか』と思います。 

そう考えると、配慮ができない人、例えば街中の人通りの多い場所で歩きたばこをする人、電車に駆け込み挟まって電車を遅らせるような人、駐車禁止の所に車や自転車を平気で停めてしまうような人など、配慮ができない人は、子どもの頃、大人から他者を想い、配慮すると言う経験をたくさんはされてこなかった人なのかもしれません。

乳幼児期の子どもにとって、大人が子どもから目も心も離さないで言葉をかけてあげることの大切さを学びました。

参考にさせていただいた本

子どもへのまなざし(緑の本)(佐々木正美さん著)

この本は、今まで学者たちが、『子どもをどのように育てると、どのような大人に育つ傾向にある』と言う ことを研究していたこと、著者の佐々木正美さんが臨床で蓄積したことから、子どもを育てるためにどんなことが大切なのかを説明している本です。

私は心理学の知識は全く分からないのですが、知識のない私でも、とても読みやすく学びになる本です。