今回は『読んで学べるADHDのペアレントトレーニング』を学びます。前回は導入として、ペアレントトレーニングはアメリカでは多くの人に使われており、親の行動を変えることにより子どもの好ましくない行動を減らし、好ましい行動を増やしていく方法があることに触れました。今回は、ペアレントトレーニングの核となる考え方について触れていきます。表題の○○には『注目』が入ります。
本を読んでショックを受けました。今まで私が正しいと信じてきた、子どもへの注意や指摘は好ましくない関わりであることが分かったからです。私の中の『常識』が覆されて、本を読んで呆然としてしまいました。
子どもは注目を求めている
子どもだけではなく大人も注目を求めています。誰にでも、喜んでもらったり反応してもらいたいと言う気持ちはあると思います。例えば朝晩と料理を作り家族に提供しても黙って食べられ、家族が必要としている物を買っておいてあげても何も反応がなかったら寂しい気持ちになるのではないでしょうか。
子どもの場合は肯定的な行動をするよりも、問題のある行動をした方が安易に注目を集めることができるので、トラブルを引き起こして否定的な注目を得ようとする時があると説明されています。大人しく遊んだり躾けられたことを習慣として実行するだけでは、大人は反応しなかったり、大人がしたい事(例えば携帯電話やパソコンなど)に夢中になっている場合が多いのではないかと思います。一方大人が望んでいない行動をすれば大人はすぐに駆け付けて自分の方へ意識を向けてくれるので、子どもにとっては、自分が悪い事をした時だけ構ってくれると言う成功体験を積み重ねてしまうと言う事を感じました。
大人が何に注目するかによって子どもの行動が変わる
私達は子どもが問題行動を起こした時はすぐに駆け付け、説教をしたり罰を与えます。そのため常に望ましい行動よりも望ましくない行動に注意を向け、子ども達が褒められるよりも叱られることに向かうように訓練していると、本書で説明されています。私が今まで子どもにしてきたこと-望ましくない行動をしている時に注意をすること-が、逆に子どもの行動を強化してしまっていたと言う傾向があることが衝撃でした。
本書では、私達大人は望ましい行動に注目し、望ましくない行動には注目しないことを勧めています。それが子どもの行動を好ましい方向へ変化させていくと説明されています。
むすび
施設でも落ち着かずに注意ばかり受ける子がいますが、大人が注意することによりその子の行動を悪い方へ導いていたのは大人側だったのかと気付き、行動を改めなければならないと思いました。次回は、具体的にどのようにしていく必要があるのかについて学んでいきたいと思います。