すごい人研究所

すごい人になるヒントをまとめるブログ

【スポンサーリンク】

子どもに制限を与える方法 -ペアレントトレーニングから学ぶ-

今回は『読んで学べるADHDのペアレントレーニング』を参考にしています。この本は、ADHD(落ち着かない、衝動的)の子どもを育てる親だけではなく、子どもの行動にストレスを抱える親にとって役に立つ解決法が紹介されています。本書には対象年齢が2歳~12歳と記されていますが、子どもの発達段階や対応方法によっては高齢児でも活用できるものもあります。

今回は、子どもの許しがたい行動を制限する方法について学んでいきます。ただし制限するための大前提として、ほめること・無視・協力を引き出すための関りがとても大切になります。それを用いないで制限を設けてしまうと、逆効果になってしまうそうなので注意が必要です。

f:id:Megumi_Shida:20220307094903j:plain

f:id:Megumi_Shida:20220307094908j:plain

f:id:Megumi_Shida:20220307094913j:plain

f:id:Megumi_Shida:20220307094917j:plain

f:id:Megumi_Shida:20220307094923j:plain

f:id:Megumi_Shida:20220307094929j:plain

f:id:Megumi_Shida:20220307094935j:plain

f:id:Megumi_Shida:20220307094941j:plain

f:id:Megumi_Shida:20220307094948j:plain

制限を加える前に必要な事

これまでに子どもの行動を変えるためには次の関りが大切であることを学んでいます。

・第1ステップ:子どもの行動を分類すること

・第2ステップ:子どもにしてほしい行動に対してはほめること

第3ステップ:子どもにしてほしくない行動に対しては無視(注意を取り去ること)

・協力を引き出すための方法4つの方法を用いる

これらの関りを基礎として、大人の関りを変え続けても子どもが変わらない場合の方法として、制限を設ける方法が紹介されています。

ほめることや無視をしないで制限を設けてはいけない理由としては、ただ単に制限を設けてしまうと、大人が否定的な注目を与えることに繋がります。そして子どもは悪い行いで注目を集めることを学び、その行動が強化されるためです。

ほめることが習慣になった家庭では、皆が互いに好きになったり、互いの関係が楽しいものになり、ほめるだけで間違った行動が減っていきます。ほめることで、罰を与えなくて済むことがなによりも大切なことなのです。一朝一夕で良好な関係性を構築できるわけではなく、大人側が辛抱強く関わり続ける必要があると私は考えています。もし子どもに叱ることが多かった家庭は、数日や一週間大人が関りを変えたとしても、子どもが劇的に変わることは少ないのではないかと思います。

子どもの許しがたい行動を無くすためには、ほめる・無視・協力を引き出す関りをした上で、子どもの行動が変わらない場合は制限する方法について試すことができます。

1.指示

指示のポイントについては以下の通りです。

・まずは視線を合わせる

・やめてほしい・してほしい行動をはっきりと言葉にする。それにより、子どもは大人が何を望んでいるのか正確に知ることができる。

・何をしてほしくないかよりも、どうしてほしいかを明言する方が好ましい。やめさせたい行動を口にすると、子どもに乱暴な行動を思い出させる危険があり、またその行動を繰り返すことが懸念される。

・「~してくれない?」と聞くのではなく、「~しなさい」「~の時間よ」と真剣に伝える必要がある。子どもは大人が本気だと分かると、より効果的になる。

・指示の後に、少しでも指示をしたことに取り組もうとする場合は、ほめる必要がある。

2.ブロークンレコードテクニック

この方法は、指示を単に繰り返す方法です。子どもは出された指示をはぐらかしたり反論したり、屁理屈で闘おうとします。しかし子どもが反論しているにも関わらず大人が何度も指示を繰り返すことで、「おまえが何と言おうと、〇〇をしなければならない」「おまえのどんな屁理屈も無視するよ」と言うメッセージを伝えることができます。しかしもしこの方法を用いても子どもが拒否をした場合は、後述した罰の警告を用いることができます。

3.罰の警告

子どもが大人の指示を無視し、次のレベルの制限設定が必要になった時には、その結果として罰が与えられることを警告することができます。罰とは、特典や何かものを失うこと、子どもにとって意味があり大切なこと、親がコントロールできること、心置きなく取り上げることができることです。例えば家の中でボール遊びをしている子どもの場合、以下のように関わることができます。

①指示をする:ボールを持って外で遊びなさい

②指示を再度出す:ボールを持って外で遊びなさいと言ったわよ

③警告を出す:今すぐボールを持って外に行きなさい。でなければ私がボールを15分間取り上げますよ

罰は、問題行動とその罰が結びついていることが望ましいです。警告に具体性を持たせることにより、子どもがその行動を続けた場合にどんなことが起きるのかをはっきりと認識させることができます。また短期的な罰の方が長期的な罰よりも効果的です。1日以上の長さの罰は互いにエネルギーの無駄遣いであると説明されています。

4.タイムアウト

タイムアウトする場所を選ぶ:これ以上トラブルが起きないように、いたずらする物が少なく目の行き届くような場所を選択する必要があります。

タイムアウトの時間を決める:子どもの年齢1歳につき1分が適当。してほしくない行動が続く時は、時間を1分くらい増やしていくこともできる。タイマーが鳴ったらタイムアウトが終わりだと伝える。

③短時間の家族会議でタイムアウトを紹介:許しがたい行動と、それに対して大人がどのように思っているのかを伝えた上で、子どもがその行動をやめるのを手伝うことができる計画があると伝える。この際に練習することは効果的で、子どもはこの時実際に罰せられるわけではないため協力的になる。会議は10分以内に終わらせる。

④許しがたい行動が始まったらタイムアウトの警告・実行:子どもが自制するような機会が大切であるため、タイムアウトになると言う警告をすることは大切。その時点でやめることができれば、ほめる必要がある。

むすび

私が今回とても学びになったのは、大人の制限を設ける時の姿勢です。私は子どもと生活をしている中で、子どもが何と言おうと子どもの行動を辞めさせなければならない場合がありました。その時に私は共感を踏まえて子どもの気持ちに寄り添いながらやめさせようとしましたが、子どもはその共感に乗じて抗おうとしていました。しかしその時は、こちらが断固として譲らないと言う姿勢が必要だったのではないかと思いました。

参考にさせていただいた本

読んで学べるADHDのペアレントレーニング(シンシア・ウィッタム著)