今回参考にしている本は、精神科医・作家の岡田尊司(たかし)さんが書かれた『愛着障害の克服』です。人が生きていく上で、子どもを育てる上で愛着は必要不可欠なものです。
これまでに、愛着の4つの型のうちの安定型、回避型の愛着パターンについてを学んできました。今回は『抵抗/両価型』についてを学んでいきたいと思います。
『抵抗/両価型』の愛着の特徴
ストレンジシチュエーションテスト(1歳児の母の不在と再会のテスト)では、抵抗/両価型愛着の子どもは母がいなくなると過剰に不安がり、母が戻ると遊びには戻ろうとせずに母がいなくなったことに腹を立てたり、またいなくなるのではないかと不安がります。
その子どもの母親の特徴としては、気まぐれなところやムラがあり、子どもの求めに過剰に反応したり、時には全く反応しなかったりします。また兄弟が増えたり夫婦間の問題で、その子にあまり関わることができなくなることも原因です。このような状況は、子どものニーズとはズレていることに問題があります。
大人の感情や行動にムラがある環境に置かれると、子どもは周囲の顔色に敏感で、過剰に愛着や承認を求めるようになります。またいじめを受ける側にもなりやすく、他人の怒りにも反応し、下手に出てしまうことが原因であると考えられます。
抵抗/両価型の人は相手の顔色に敏感で、自分を受け入れ認めてもらいたいと言う欲求が強く、認めてもらえるように頑張ります。しかし評価が下がると感じると、落ち込むか怒りモードに変わっていきます。これは、悪い事をしている時に『お前は悪い子だ』と決めつけられたり評価が下がることで本人にとっては絶望的な状況に陥り挽回が難しい状況を経験していることが想像できます。
また自分にも相手にも求めすぎることから、例えばメールの返事が遅いだけで不安定になり、周囲は振り回されて信頼できなくなる問題が生じます。自分を否定されたと感じると気分を害し、相手に対し批判的になり許せなくなります。そして不機嫌、拒否、攻撃的になりますが、その背景にはもっと自分の気持ちに目を向けてほしいと言う気持ちや、気持ちを分かって欲しいと言う気持ちが隠れています。
愛着形成のためにできること
抵抗/両価型の人の安全基地になるには共感が大切で、彼らは共感されることで何よりも救われるそうです。彼らに対して対処法の助言をすることは、自分の感じ方がダメだと否定されたと捉えられるので、話を聞き共感すると言う対応を続けることが大切だと岡田さんは言います。
そして求めたらまめに応えることも大切です。本人が不機嫌になっても、『それほど気持ちを我慢していたり、言いたくても言えない事を抱えているんだ』と本人の言い分を受け止める姿勢を大切にしていくことで、本人は受け入れられている事を感じていきます。
むすび
今回は、抵抗/両価型についてを学びました。以前の私の愛着タイプは、今回学んだ抵抗/両価型に近かったのではないかと思いました。周りの反応に敏感で、周囲に対して過剰に求めすぎて依存してしまうところがありました。しかしある時出会った人、もしくはそれまでの積み重ねのおかげで、安定型に近づいたのかもしれないと思っています。その人(達)は私のことを受け入れ、否定せずに、不機嫌な私に対しても理解して側にいてくれました。その人がいたから私は辛い状況から改善されていったと感じています。
それを振り返ると、愛着が不安定な人には、その人のことを良く理解してくれて受け入れてくれる存在は不可欠であると感じました。
参考にさせていただいた本
愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる(岡田尊司さん著)
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