今回は、黒川伊保子さんの『妻のトリセツ』、『夫のトリセツ』を参考にしています。夫婦間、パートナー間ですれ違いがあり、悩んでいる人は、本書を読むと何か解決のためのヒントがあるかもしれません。
今回は、なぜ妻はネガティブなことに神経質で過去のことを蒸し返すのかについて学んでいきます。私は職場の人が、奥さんから『子どもが産まれた時に何も助けてくれなかった』と言い続けられていると聞いたことがあります。なぜ妻がほんの小さな一言に反応し、引きずるかの謎について学び考察していきます。
子育てを担う女性の思考パターン
女性にとって、危険を伴うネガティブなこと(怖い、辛い、ひどい)を記憶することは、常に新しい子どもの問題に直面した時に臨機応変に対応するために大切な仕組みであることを学びました。また、妊娠出産時期は特に満身創痍の状態、状況であることも知りました。
男性がこのことを知ると、なぜ女性が感情的になりやすいのかが理解でき、女性に対する配慮の気持ちが芽生えるのではないかと思われますがいかがでしょうか・・。例えば、言い方や関わり方に気を付けていこうとか、余計なことは言わないようにしようとか。
私がこのことを知った時、『逆に男性は、家庭内のことには臨機応変に対応することが難しい思考パターンや傾向にあるから、自分の物差しで男性の事を「気付かない、配慮してくれない」と考えるのは好ましくない』と感じました。また、もし子どもを授かることができたなら、あらかじめパートナーには『妊娠出産前後は特に満身創痍で神経質になるから、余計なことは言わずに共感したり労ったりしてね』と説明しおねがいすることもできると思いました。
産後の女性のホルモン変化
以前NHKで、産後の女性を科学すると言う番組が放送されていました。そこで知ったのは、産後の孤独感や不安感は、エストロゲンと言うホルモンの激減によるものと言うことです。エストロゲンが減少するのは、昔から培ってきた『共同養育』を促すためと言うことが分かっているそうです。そもそも人は、1人2人で子育てをしてきたわけではなく、他者(近所の人や親族)を巻き込んで養育する生活を送っていたとのこと。母親は他者に助けを求めるために、孤独や不安を感じるエストロゲンが増えているのですね。このことが分かると、女性は孤独感は自分だけが持っているわけではないと安心することができると思います。また男性は『産後の女性は寂しい気持ちになりやすいから、それを満たすために何ができるのか』を考えることができると思います。番組や本の紹介は後述した記事で紹介しています。
男性はどんな言葉に気を付けた方が良いのか
黒川さんは、妻が絶望するセリフについて紹介してくれます。
① 「だったらやらなくていいよ」
家事が大変だと訴える妻に言うと、 「君がいつもやっていることは、僕にとってはそれほど重要ではない。やらなくても気にならない」と聞こえる。
② 「つまりこういうことだろ ?」
愚痴に対しては「わかるよ。大変だね」と共感するだけで十分。頼んでもいない要約や解決策の提示は余計なストレスを増やすだけ。
③ 「おかず、これだけ ?」
夫が自分が食べるご飯の量に対してのおかず量の塩梅を、あらかじめ計るために聞いたひとことでも、 「たったこれしかないの ? 」と聞こえる。余計なことは言わずに様子を見よう。
④ 「今日何してたの ?」
家事が思うようにできなかった妻には「 1 日家にいて、家事も満足にできないのか」と聞こえる。
⑤ 「いいな〜君は。 1 日〇〇(子どもの名前)と一緒で」
それが何よりツライと感じている妻もいる。そういう自分を責めていたりもする。
以上のリストの中で、特に要注意は④と⑤だ。また、妻が専業主婦や育児休暇中である場合、このセリフは致命傷となる。出産前はコントロールできていた家事が、子どもの誕生をきっかけに、コントロールできなくなっているからだ。夫はつい、 「専業主婦なんだから、時間あるだろ」「会社には、仕事しながら子育てしている部下もいるぞ」と言ったりしてしまい、傷を広げがち。特に、優秀な専業主婦を持つ夫ほど、妻の家事労働の量や大変さに気づきにくい。プロセスを見逃す男性脳は、妻が要領よく家事をこなしていると、「本当に楽な仕事」に見えてしまうからだ。
参考:不機嫌な妻のトリセツ――あなたが妻を絶望させる禁断のセリフとは(黒川 伊保子) | +αオンライン | 講談社(3/3)
パートナーに対して、『これは言わないでおこう』と決めておくだけでも、衝突する回数は減らせるのではないかと思います。
むすび
今回は、なぜ女性がネガティブなことに神経質になり、それを思い出す力が強いのかについて触れ、言ってはいけない一言も学びました。女性は昔から命がけで子どもを育ててきたために、ネガティブなことに敏感で過去の事を蒸し返す思考パターンとなったことが理解できました。
人類は何百万年も男は外で狩りを、女は子育てをしてきたのに、世の中が大きく進化して、女性が働いたり女性も自己実現ができる環境にはなってきましたが、家事や育児は未だに女性が大きく負担していると言う状況ではあり、私達の体や思考パターンが、現代の生活について行けていないのではないかなとも感じました。ただ私達は学び改善することができる生き物であるため、どんなことが問題を引き起こしやすくなっているのかについての理解をすることにより対応はできていくのだとは思います。
参考にさせていただいた本・サイト
妻のトリセツ(黒川伊保子さん著)
夫のトリセツ(黒川伊保子さん著)
妻のトリセツは漫画版も出版されています。
不機嫌な妻のトリセツ――あなたが妻を絶望させる禁断のセリフとは(黒川 伊保子) | +αオンライン | 講談社(3/3)