知識のおかげでセルフコントロールが上手になる
思春期は、体内ですさまじいホルモンの変化が起きるので、本人もなぜそこまで感情的になるのかが分からないし、当時の事を覚えていないと言う話を聞いたことがあります。それくらい身体にも心にも負荷がかかる時期。感情のコントロールを十分に学んでいない子どもがそのような状態になってしまうのだから、苛々するのは仕方のない事だと思いました。
アグネス・チャンさんは、子どもも大人も『苛々は性ホルモンのせい』と言う事実を知っていれば、それを他人のせいにせずに、コントロールがしやすくなる、と言います。
私は中学の頃、苛々を止められずに学校の担任に反抗したり、朝起きれないのを母のせいにしたりしていましたが、もし当時、性ホルモンがたくさん分泌されているから苛々しやすいんだ、と言うことが分かっていれば、人のせいにするのはやめようと思えて、感情的になる回数が減っていたのかもしれません。
セルフコントロールを助ける知識は多くの場面で役立つ
この話は、思春期だけではなく、様々な心身の困りごとにも当てはめることができると思います。
例えば私の場合は、PMS(月経前症候群)。女性は、生理前になると女性ホルモンのバランスが変わり、体調が悪くなったり、落ち込みやすくなったり苛々したりします。私もその傾向が顕著に見られ、生理前には世界の終りのような感覚に陥り、布団から出られない時もありました。しかし、原因が分からない時期が数年続き、人間関係が悪くなる時がありました。
しかし母と電話をしていた時に、感情の起伏が激しく悩んでいる話をすると、母は「それってPMSじゃない?」と言うことを教えてくれました。そこからPMSについて調べていくうちに、原因や解決策を知ることができるようになりました。しかし自分の力ではどうすることもできなかったので、婦人科に行き薬を処方してもらうことで症状は落ち着きました。今は当時よりも大分落ち着いて生活できています。
私はこの経験から、自分が困った時に相談できたり、助言をしてくれる存在がいることの大切さを学びました。もし私があの時母に相談していなかったら、今も感情の起伏が激しいまま、辛い状態だったのかもしれません。
身体や心がおかしいと思ったら、周囲の人や専門とする人に相談してみる。周囲の人も、他者の変化を気に留め、調子が悪そうな時はサポートしたり話を聞いたりする、そのような関りができれば、苦しみ続ける人が少なくなっていくのではないかと思います。