今回は、『教師学』と言う本を参考にしています。この本では、『ほめること』と『わたしメッセージ(感謝や気持ちの表現)』の違いについて解説しています。今回はそれについて学んでいきます。
以前から、ほめることが子どものためには好ましくないと聞いたことがあるのですが、今回著書を読み、その理由がよく分かりました。
ほめられる側、わたしメッセージを送られる側の思考と影響を考察
大人が、子どもの話が楽しいと感じた時を例に、ほめ言葉とわたしメッセージでどのような違いがあるのかを考察したいと思います。
ほめる場合は『あなたは話が上手ね』と伝えることができますが、その時に次の事を感じるのではないかと考察します。
・私は話が上手なんだ(自分の特徴を断定)
・私は他の人よりも話術に優れている(優越感)
・でも、次にあの人と話した時に上手って思われなかったらどうしよう(不安)
・次もほめてもらえるかな(期待と不安)
・次もほめてもらえるようにがんばらないと(焦り)
一方わたしメッセージでは、『あなたの楽しい話のおかげで、楽しい時間を過ごすことができた。ありがとう』と伝えることができます。これを受けた時、次のことを考えるのではないかと想像できます。
・喜んでもらえて嬉しいな(喜び)
・私の話は、誰かを楽しませることができるのかもしれない(自分の才能を考察する)
・私の話のどの部分が楽しかったのかな(考察)
・私の話は、人を喜ばせることができるのかもしれない。(希望)
・また誰かを喜ばせたい。(願望)
わたしメッセージのように、感謝をされたり喜んでもらうことで、両者に情緒的な絆が芽生えやすくなります。
また相手の感想や感謝が伝わることで、受け手には考察の余地が与えられ、次の行動を自発的に決めることができると考えられます。
むすび
今回は、『ほめる』と『わたしメッセージ』の違いを学びました。本の著者は、ほめることが好ましくないと言っていますが、私自身は伝え方にもよるかなと言う感想を抱きました。上述した「話が上手ね」と伝える場面では、例えば発言側がとても楽しそうに、お腹を抱えて笑っていたら、受け手は、相手が喜んでいることや、楽しんでいることを感じることができるのだと思います。言葉は影響を与えますが、伝える側の表情や関係性もまた、影響を与える要因となるので、ほめることが一概に悪いとは言えないのではないかとも思います。
参考にさせていただいた本
教師学