今回は『読んで学べるADHDのペアレントトレーニング』を参考にしています。この本は、ADHD(落ち着かない、衝動的)の子どもを育てる親だけではなく、子どもの行動にストレスを抱える親にとって役に立つ解決法が紹介されています。本書には、対象年齢は2歳~12歳と記されていますが、子どもの発達段階や対応方法によっては高齢児でも活用できるものもあると考えられます。
本書には、子どもの行動を変えるための方法が示されています。これまでに、大人の言動を変えることで子どもの行動が変わっていくことや、その鍵となるのが注目であると言う事、子どもの行動を変えるための第1ステップとして、子どもの行動を分類することが大切であることに触れました。今回は、分類した好ましい行動に対しては肯定的な注目が必要であることについてを学んでいきたいと思います。
プロセスをほめる
本書では『多くの親は何かの課題をやり終えた時にだけほめる傾向があるが、結果ではなくプロセスをほめることが重要である』と指摘しています。課題が終えた時のみをほめるようになると、それは完璧を求めることと同じことになり、完璧は子どもにとって現実とかけ離れた基準になると説明されています。
プロセスをほめることが大切であることは、大人でも同様だと思います。例えば仕事で期間1年のプロジェクトに取り組んでいる時、その過程で1年中誰からも励まされたり、ほめられたり、努力の姿勢に気付いてもらう事ができなかったらやる気の維持は難しいかもしれません。しかし同じプロジェクトのメンバーが、その人の工夫や姿勢、努力に気付いて声掛けができれば、心が満たされたり、これからも頑張ろうと思い直すことができるのではないかと思います。
子どものプロセスをほめることは、子どもを励まし、人として尊重し、子どものことを大切に想って見守っていて、勇気づけ、心を満たすことに繋がるのではないかと思います。
子どもをほめるタイミング
プロセスとはどのようなことを言うかについては、本書で次のように説明されています。
【状況1】あなたがしてほしい行動をはじめたとき
(朝、パジャマを脱ぎはじめる)
【状況2】多少まちがっていても、してほしい行動をしようとしているとき
(靴を反対の足にはこうとしている)
【状況3】してほしい行動をしているとき
(宿題に取り組んでいるとき)
【状況4】指示にすぐ従っているとき
(「もう寝る時間よ」と言われ、寝室へ向かっているとき)
【状況5】自分からはじめているとき―自発的にするとき
(なにも言ったりしていないのに、部屋をかたづけたり、ゲームをかたづける)
【状況6】ほかの子どもと上手に遊んだり、一緒にゆずり合っているとき
(読む、書く、描く、ブロックで何かをつくる)
【状況7】してほしくないと思うことと反対のことをしている
(叫ばないで、静かな声で言う)
この状況リストを見て、私は状況1~7までに留意して子どもを見たことがなかったです。と言うか、子どものネガティブな行動に着目しすぎていて、肯定的なまなざしで子どもを見ていなかったので、今後はプロセスを意識して、子どもを見つめていきたいと思いました。
ほめることを習慣にするために
本書では、ほめたことをノートに記入して習慣化することを勧めています。①時間、②子どもの好ましい行動、③どうほめたかについてをリスト化し、1ページの半分は埋めることを勧めています。
ほめ続けるとどうなる?
子どもをほめ続けると、ほめている行動は増えていき、子どもは気分がよくなり認められているように感じ、また他の事でも協力し始め、大人も気分が良くなりお互いの関係が良くなると説明されています。
むすび
今回は、プロセスに着目して子どもをほめること、ほめることを習慣化させることの大切さを学びました。私達は注意をされる/することに慣れ、日常的にほめる習慣は中々身に付いていないのではないかと思います。肯定的な注目と、それを言葉で伝えることを習慣化させるために、意識をしていきたいと思いました。