今回は、鈴木大介さんが書かれた『「脳コワさん」支援ガイド』と言う本を参考にしています。ルポライターの鈴木大介さんは、脳梗塞により高次機能障害を患い、その後脳が正常に機能しなくなった状態や辛さを体験しました。リハビリ中の鈴木さんが、自分の苦しさを開示できた援助職の人は、たった2人だったそうです。今回は、その方達の接し方から、援助職や、主に人と関わる仕事をしている人として必要な姿勢を学んでいきたいと思います。
4つ目は、小さな当事者性を感じられる人。目を逸らしたり、上手く話が出来なかったりする人に対しては、『この人だったら、自分の大変さを分かってくれるかもしれない』と思われるそうです。それぞれの要素について、考察をしていきたいと思います。
全肯定のスタンス
私は子どもの話を聞く時、子どものマイナスの気持ちに蓋をするような関わり方をしていました。子どもが嫌だ、辛い、と言う発言をしたら、私は「でもこうとも考えられるんじゃない?」「だったら〇〇すれば?」と言う感じで関わっていたら、次第に子どもは私に話をしなくなってきました。しかし自分が気持ちを吐き出した時に求めているものは、前向きな言葉よりも、大変さや、辛い気持ちを認めてもらえる言葉だと思いました。マイナスな感情を否定すると言うことは、その人の感情、その人の否定に繋がりかねない事を、頭に入れて関わりたいと思うことができました。
待ちのスタンス
以前脳にトラブルを抱えた人は、会話をする時に言葉が出てきにくい事を学びました。
言葉が出ないのに、話を急かされたり、次々に言葉をかけられることで混乱し、時にはパニックを引き起こしてしまうことに繋がってしまうとのこと。話を待ってくれる人の存在はありがたいのだと思います。
当事者の尊重
鈴木さんが脳梗塞で倒れた後、見まいに来た友人から『鈴木大介は終わった』と言う目で見られたそうですが、鈴木さんの中に隠れていることを尊重してくれる人には、心を救われたのだと言います。
私は、普段子ども達の気になるところばかりを考えてしまい、子どもを1人の人間として尊重することが出来ていないことに気付きました。もっと、人として尊重することができれば、子どもの感じ方や私への印象も変わるのではないかと思いました。
小さな当事者性
闘病中の鈴木さんは、完璧な支援者は苦手だったそうです。完璧であることで、自身もしっかりしなければと慌ててしまうのだと考えられます。一方、何か頼りない感じの人、自分に似通ったような人に関しては安心したそうです。鈴木さんが言うように『この人だったら、自分の辛さを分かってくれるかも』と思えたことが安心につながったのだと思います。
むすび
このブログでは、これまでに話の聞き方のコツのようなものを学んできましたが、私はそれを会話の中で取り入れることによって、少しずつ子どもの気持ちを大切にすることができるようになってきました。一番大事なのは気持ちだけど、それと同じ位、コミュニケーションスキルも大切なのではないかと、最近思うようになりました。
参考にさせていただいた本
「脳コワさん」支援ガイド(鈴木大介さん著)