Twitterで知ったはぁちゅうさんの著書。帯に興味を惹かれて購入しました。
はあちゅうさんとは
ブロガー・作家のはあちゅうです。
「ネット時代の新たな作家」をスローガンに読者と直接つながって言葉を届ける未来の作家の形を摸索中。著作に「とにかくウツなOLの、人生を変える1か月 」「半径5メートルの野望」、「通りすがりのあなた」など。月額課金制マガジン「月刊はあちゅう」が好評。(はあちゅう オフィシャルブログより)
本書の内容
本書の物語は、33歳の専業主婦が主人公。旦那の帰りを待つ毎日が寂しく、苦痛に耐えきれずに、Twitterで裏アカウントを作ったのが始まり。主人公を中心に、そこで繋がった人たちとの物語。
Twitterで裏の顔を持ちながらも、主人公と同じように寂しさやモヤモヤ、心にぽっかりと空いた穴を抱きながら生きている人たちにスポットライトが当たっている。
そして主人公から突然姿を消した夫。不安な日々を送る主人公が、旦那ではなく、別の方法で心を満たすために動き始める。
Twitterのすごいところ
Twitterのすごいところは、匿名で誰もが参加できると言う点。匿名だから、軽い気持ちで始められるし、つぶやける。リアルな世界では吐き出せない苦痛やグチも吐き出すことができるし、ムカつく人、許せない人がいたらとことん攻撃もできる。いくらでも感情を吐き出せるし、匿名で炎上しても、切り捨てればいいだけだからリスクもない。
でも、本書を読むと、感情を吐き出すだけが、本当に幸せにつながるのかな、とも考えさせられます。
本書から学んだ、心を満たすための方法とは
〇なぜ寂しいと感じる人が増えているのか
先日実家の田舎に帰ったとき、SNSが広まっても、その生活の仕方は10年、20年前とほとんど変わっていない人たちもいることに気付きました。家族は一つの部屋に集まり、お茶を飲んだりだべったりしている。私もその空間が居心地がよかった。しかしそこから離れると、寂しさがこみあげてくることにも気付きました。昔は、兄弟もたくさんいて、家族と過ごす時間が長かった、それによって、寂しさを忘れていたのではないかと考えました。一方今は、一人暮らしの増加、晩婚化、少子化などにより、一人でいる時間が長くなったため、誰かがいることによって満たされていたものが失われていると考えられます。私は本書を読み、今を生きる人たちのリアルな寂しさ、苦しさにかなり共感しました。
〇心にぽっかりと穴が開いた主人公がしたこととは
突然音信不通になり、帰らなくなった旦那。この時主人公は、SNSについて次のように述べています。
恭平がいなくなる前は、人間らしいなぁ、と微笑ましかった裏アカ勢たちのお喋りだけれど、今冷静な気持ちで見ると、みんなくだらないことでぎゃあぎゃあ言っていて、バカみたいだ。ヤることと、お金儲けと、世の中への愚痴ばっかり。
私も、気付かないうちに、日々の心配や嫌なことで頭がいっぱいになってしまうことがあるため、本当に大切なものは何かを良く考えながら生きていかないと、マイナスな感情に埋め尽くされてしまうなと思いました。
主人公は、旦那を失った寂しさを消化できずにいる中で、自身と見つめ合う時間も増えました。その中で、自身には料理の才能がある事に気付き始める主人公。将来は自分の店を持ちたいとまで思うようになります。つまり主人公は、寂しさを埋めるための手段として、自分の好きな事、したい事に焦点を当てたのです。
これは私の主観ですが、
主人公は、旦那だけのために人生を送っていた時よりも、自分のしたい事が分かり、目標に向かい始めた時の方が前を向けていて、幸せそうだと思いました。
あなたも本書を読むと、共感し、考えさせられる内容がたくさんあると思います。一人の時間が寂しい、SNSばかりに気が行ってしまうと感じるあなたは、是非読んでみてください。
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