児童精神科医の佐々木正美さんが書かれた本『子どもへのまなざし』では、最近便利な世の中になり、私達に生じた変化についてを紹介しています。
豊かな世の中
近頃は、欲しい物は大抵すぐに手に入るような世の中になりました。外出しなくてもネットで注文して購入することができます。10年前には、こんな便利な社会になるなんて想像できませんでした。商品を提供する側は、少しでも顧客にストレスを与えないことに一生懸命ですから、私達は我慢をする、と言う機会が一昔前よりもずっと減ったのだと思います。
若者は、より待てなくなっている?
20年位前から携帯電話が普及され、どの人もインターネットを利用できるようになりましたが、当時は通信速度が遅い事や、ネットが繋がるまで長時間待つことが当たり前でした。
しかし今は、ネットが繋がり、通信速度が速いのは当たり前な時代。この時代に産まれた最近の子どもは、友達からの返信が10分、20分ないだけでも『友達がLINEの返事をくれない』と他人を待てなくなっているのには驚きました。私がEメールを使い始めた頃は、半日、1日後に返事をすることは当たり前の時代でした。
今の若い人(私が見てきた子どもに限ってかもしれませんが)は、大人の年齢の私達よりももっと待てなくなっているように思います。
待てない大人が子育てをするとどうなるのか
大人が子どもの事を待てないようになると、子どもも自分の事を待てずに焦る子に育ちます。できないことにすぐに諦めるようになって、目移りする、そんな風に育つそうです。
大人は、子どもがしっかりと育ってほしいと思い焦ります。しかし子どもは、おむつをいつかは取れるようになるし、授乳もいつかは終わる。靴下も履けるようになるし、お行儀よくご飯を食べることもできるようになります。
ですから、大人は『いつできるようになるか、楽しみに待っていてあげるからね』と言うおおらかな気持ちで、関わることが大切だと佐々木さんは言います。植物や動物を育てるのと一緒で、大人がやるべきことを一生懸命やったら、後は待つ姿勢で、子育てに取り組みたいです。
便利な世の中をどう生きて行ったら良いのか
先日、貯め代さんのブログで、必要不可欠なコンビニとスマホを辞めてみる、と言う記事がありました。
貯め代さんのブログを読み、便利なものに頼りすぎてしまうと、いざと言う時、困った時に、何もできない人になってしまう怖さを感じました。普段から、多少不便だけれども工夫で何とかしてみるとか、便利、楽なものに流されすぎないようにする工夫の必要性を感じました。
また、万一生活のどこかに支障が出た場合、できないことばかりに執着しないことも大切だと思います。私はポケットWi-Fiを契約しているのですが、このWi-Fiが全く使い物にならない月がありました。ネットでは炎上、被害者の会などのアカウントが立ち上がりました。私も困惑していたのですが、『でも昔はネットに繋がらないのは当たり前だったんだよな、たまには、ネットに不便を感じる時があっても仕方がないかな』と思えるようになりました。便利な毎日を過ごすと、不便な時にストレスがかかります。そんな時に、『昔よりは、便利になったんだから、たまには仕方ないか』と思えたり、『ラッキー、これができないなら、普段取り組んでなかったこれをやってみよう』くらいに思えるのが良いのではないかと思いました。
参考にさせていただいたサイト、本
〇貯め代さんのブログ
〇子どもへのまなざし(佐々木正美さん著)