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『反省させると犯罪者になります』-反省させた子どもが犯罪者になるケースから学べること-

今回は、岡本茂樹さんの書かれた『反省させると犯罪者になります』と言う本を参考にしています。岡本さんはすでに亡くなられていますが、生前はに立命館大学産業社会学部教授を務めており、その傍ら、刑務所での受刑者の更生支援にも携わっていました。

今回は、問題を起こした子どもに反省をさせることが、なぜ犯罪者へと繋がるのかを考察していきたいと思います。今回の話は、実際におこった事件を、ご本人であることが分からないように岡本さんが脚色されている話です。

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私は、これ以上和子を反省をさせても、和子の心は救われず、罰を受けても同じことを繰り返すことに繋がるように感じました。

抑圧されていた子ども時代

和子が子どもの頃、母親は和子が勉強しているか心配になり、何度も部屋を覗き込み、勉強をしていない和子を見ると、和子に怒鳴り勉強をさせました。父は和子の言うことには一切耳を傾けず、父親の言う通りにしないと怒鳴り暴力を振るいました。

子どもが安心して過ごすはずの家で、自分の気持ちを受け止めてもらえず、抑圧され続けた和子の『しんどさ』と言う心の悲鳴が表面化して万引きをしたと考えられます。しかし和子は反省文を書かされることで、さらに気持ちに蓋をすることになり、その抑圧のストレスが溜まりに溜まって、大学時代に爆発。親から大切にされなかったことで傷ついた和子は、自分自身も他人も大切にできずに、自分自身も他人も傷つけてしまうと、著者の岡本さんは言います。

問題行動は歓迎すべき

高校生の和子が万引きをした時に、大人はどう対応したら良かったのでしょうか。岡本さんは、『子どもの問題行動はチャンスであり、親は、なぜ子どもが問題行動をおこしたのかを考える機会を与えられたと考えるべきだ和子の心にある鬱屈した思いを吐き出させることが、反省よりも前に必要な事だ。』と言いいます。和子が、『何度も部屋を覗く母が鬱陶しかった、自分の話を聞いてくれず、暴力を振るう父親が大嫌いだった!』と、ネガティブな感情を思い切り吐き出すことが、和子が回復するための出発点だと言うのです。

問題行動が起きたときには、必ず寂しさやストレスなどの否定的感情があるからだと、岡本さんは言います。犯罪を犯した人は、自分の正直な気持ちを吐き出すことを経て、初めて自身の犯した罪と向き合うことができるそうです。行動の反省の前に、心をどうにかする必要性を感じました

私の姉は、中学の頃から非行傾向にあり、法に触れるまで問題行動がエスカレートしましたが、子どもの頃の姉は親から叱られてばかりで、姉が親に本当の気持ちを言っているところを見たことがありませんでした。姉が子どもの頃に、姉の本当の気持ちを受け止め、姉が大切にされる経験をしたら、もしかしたら姉の人生は大きく変わっていたのではないかと思いました。

むすび

今回参考にした本『反省させると犯罪者になります』と言う題名には、子どもの気持ちを抑圧するだけで反省ばかりさせても、余計に子どもの心を抑圧するだけで、反省の意味はないと言う意味が込められていると感じました。私は、子どもが問題行動を起こしたり、ルールを破った時に、注意をすることを重視してきましたが、なぜ子どもは問題行動を起こすのかと考えることや、普段から子どもの心を抑圧していないかを考えることの大切さを感じました。

私の姉妹、特に姉は問題行動が多かったのですが、姉以外の子ども達も何かしら問題を抱えていると思います。私自身もまだ引きずっている問題があります。このしんどさをどうにかするためにも、自分が同じような子育てを繰り返さないためにも、この本はとても学びになる本です。

参考にさせていただいた本

反省させると犯罪者になります(岡本茂樹さん著)