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愛着形成のために大切な『安全基地』となるポイントとは?

今回は、精神科医・作家の岡田尊司(たかし)さんが書かれた『愛着障害の克服』を参考にしています。

これまでの話は、主人公の小学校教諭が、学校でも家庭でも子どもの問題行動に悩んでいおり、職場のスクールカウンセラーに相談したところ、『愛着』の視点が大切だと言う助言をもらいました。そして前回までは、愛着研究の歴史を学びました。

ジョン・ボウルビィの研究 -『愛着』の発見- - すごい人研究所

エインズワースの研究 -愛着の形成のために重要な条件とは- - すごい人研究所

今回からは、愛着形成のたに大切な『安全基地』となるポイントについて学んでいきます。

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安全基地となるポイント

安全基地となるためのポイントの1つは、『安全感を脅かさずに、安心できる関係を目指す』ことです。愛着が弱い人は、自分を守ってくれる避難場所を必要としています。その状況下で、話したい事を言わなければならならなかったり、いつ叱られるか分からない状況下では、安心して過ごすことはできません。

著者の岡田さんは、叱ることについては次のように話しています。

①良い行動をした時は褒めるようにし

②好ましくない行動は無視

③看過できない、生命に関わるような重大な問題行動は反省させる必要

叱りすぎることは愛着にダメージを及ぼし、不安定な状況になりますからさらに問題行動を引き起こすようになるそうです。また子どもによっては、ネガティブな行動(わざと注意をされるような行動)をして注意を惹きつける場合もあります。子どもが多かったりネグレクト傾向のある親のもとで育った子どもは、注意される時は自分に気持ちが向いてくれると思い問題行動をしてしまうと言う背景もあるためです。その場合に注意をすると、さらにネガティブな行動を強化してしまうことになるため、好ましくない行動は無視をし、良い行動をした時に反応するように心がける必要があるのです。

ただし叱らなすぎるのも問題であると岡田さんは言います。③の命に関わるような問題は注意したり辞めさせることにも注意が必要です。

また安全基地となるためには、応答性・求めたら応えること、まめであることも重要です。相手が話を聞いてほしそうにしている時や、メールの返事など、後回しにして忘れた頃に返事をすると、見捨てられたと感じさせてしまいます。安全基地になるためには、相手の言葉だけではなく、しぐさや表情などにも気にかけて、何を求めているかを必死に汲み取る姿勢が大切だと岡田さんは言います。

相手の気持ちに寄り添いやすくする技法

そして、まず話をする時には本人が触れてほしくない話をするか、ただ近くにいるだけで本人が安心できる環境を提供します。そして話をする際に相手の気持ち、話していることにピッタリとついていくためには、自分の経験や信条は一旦忘れ、真っ白な気持ちで本人の言葉に耳を傾けることがポイントです。説教や持論、アドバイスは言わないように気を付けるだけでも効果はあると思います。

話を聞く時に活用できるのは、カウンセリングでも使用されている『合いの手』や『オウム返し』です。合いの手は、「なるほど」、「うん」、「そうなんだ」と言うような言葉です。共感しながら聞いていると言うメッセージとなり、話している人には心地よく感じられます。

『オウム返し』は、相手の言っている事を繰り返したりなぞったりする技法です。相手が「会社に行くのが嫌になった」と言ったら、「会社に」「嫌になったの?」などと言うだけでも、相手は会話を深堀したりして継続します。

もう1つは、「どんな」、「どう」と言った、曖昧な疑問詞を使った質問をすることだそうです。例えば本人が「死にたい。すぐに殺して」と言った時に「死にたいなんて馬鹿な事を言ってはいけない」と返すと本人の気持ちには寄り添うことができません。本人は苦しい気持ちを理解して大切に思ってほしいのである。この時に「どうしたの?」と聞くことで、相手の気持ちを聴くことができます。

むすび

今回は、相手の安全基地になるためには、安心できる関係性作り、応答性を高めること、話の聞き方が大切であると言う事を学びました。安心できる関係や話の聞き方からは、本人にありのままでいてほしいと言うメッセージを伝えることができると感じました。子どもをしっかり育てなければならないと感じる方ほど、叱ったり価値観を伝えなければと思ってしまうかもしれませんが、その行為は時には子どもとの愛着を傷つけてしまうこともあると言う事を学びました。私も説教したり傷つけないように気をつけようと思っていても、スイッチが入ると余計な事を言ってしまったり叱ってしまうことがあるので、今回学んだポイントを意識していきたいと思いました。

参考にさせていただいた本

愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる(岡田尊司さん著)

過去の愛着関係の記事

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