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ある母親の挑戦 -子どもの安全基地となるための奮闘-

今回参考にしている本は、精神科医・作家の岡田尊司(たかし)さんが書かれた『愛着障害の克服』です。

これまでの話は、小学校教諭が、学校でも家庭でも子どもの問題行動に悩んでいおり、職場のスクールカウンセラーに相談したところ、『愛着』の視点が大切だと言う助言をもらいました。そして愛着形成の鍵である安全基地になるためのポイントを学びました。

・愛着形成のために大切な『安全基地』となるポイントとは? - すごい人研究所

・安全基地になりにくいタイプとは? -愛着形成のために- - すごい人研究所

今回は相談者の母が、安全基地となるために大切なポイントを踏まえた上で、子どもとの関わりを改善していった話になります。

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安全基地となるように大人が行動を変えると子どもも変わる

岡田さんの著書では、大人が関りを変えいく愛着アプローチにより、子どもの状況が劇的に変わっていったケースが紹介されています。(話は実際の話をヒントに再構成されています)

【ケース①】大学4年生の女性、過食と嘔吐がひどく、うつ症状もあり学校を休んでいる状況。母の過干渉や過剰反応が原因と考えられたため、岡田さんは母に関わり方を変えるように伝える。具体的には、過食嘔吐や大学を休んでいることには一切言わず、放っておいてくださいと伝え、本人が求めてきたら優しく関わる事や和やかに会話しながら食事をしてほしいと伝えた。母のカウンセリングも開始し、母が関りを変えていくことで、過食嘔吐が次第になくなり、大学を卒業することができた。

【ケース②】高校2年生の男子生徒、脅迫症状や不安症状のために勉強や学校生活に支障が出ている。脅迫症状は、正確さにこだわってしまうものであり、そのため分からないことがあると勉強が先に進めなくなっていた。人間関係も発言1つひとつに神経質になり不安になっていた。岡田さんは強迫性障害の治療をしていたが、完治は難しかった。その後母が自らカウンセリングを受けたいと申し出た。カウンセリングを通して、家族の不仲や自身のことを相談するようになった。すると息子の状態が、明らかに良くなり始めた。母自身の本人への理解が深まり、接し方も変わっていき、父もカウンセリングに通い始めたことで、家族内の雰囲気が和やかになり始めた。息子は1年半後、大学に進学して生き生きと生活を送るようになった。

上述したような、愛着アプローチにより子どもの症状が大きく改善されるケースが本書には紹介されています。岡田さんは臨床経験を通して、医学モデルでは改善できないことも、愛着アプローチにより改善できるケースを数多く経験されてきました。

このような話に触れた私は、子どもの好ましくない状態を改善するためには、大人が自身の行動を振り返り改善していこうとする気持ちが重要であると感じました。

愛着を形成するためには、長期間かかることもある

著者の岡田さんは、姿勢や考え方は大切であるが、それを本当に自分のものにするのは難しいと言います。以前、思考のアンバランスは『脳の癖』のようなものだと言うことを学びましたが、子育てや人と生きていく上での自分の価値観も、脳の癖のようなものだからだと考えられます。

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また児童福祉の世界で働いていて感じることは、不安定な愛着の状態の子どもが安定した愛着を形成するためには、数週間や数か月で良くなる訳でもないため、長期的に意識して関わり続ける必要があると考えています。子どものダメージが大きい場合や、子どもの発達障害などの特徴で安全基地を感じにくい場合は長引く時もあり、10年以上関わっても安定した愛着を形成することは難しいこともあります。そのため安全基地になろうと決めた人は、辛抱強く関わり続ける必要があると感じています。

むすび

今回は、主人公の真紀さんが、息子さんとの関係を安全基地を視点に接し方を変えて行った話を紹介しました。色々な人間関係にも当てはめることができますが、他者の安全基地となるためには日々の積み重ねが大切であることを感じます。

また他者の安全基地となるためには、自身が安全基地を感じる必要もあります。真紀さんはカウンセラーに相談し労ってもらえたことで、真紀さんに心の優しさが呼び戻されたのかもしれませんし、話を聞いてもらうことで余裕が生まれたのかもしれません。子育てを担う人が近くにいて疲弊している時に、話を聞いたり労ったりその人自身を肯定することも大切であることを感じました。

参考にさせていただいた本

愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる(岡田尊司さん著)

過去の愛着関係の記事

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