今回から愛着・愛着障害について学びます。参考図書は、精神科医・作家の岡田尊司(たかし)さんの著書『愛着障害の克服』です。
愛着は人が生きていく上で、また他者と関わり人を育む上で大切なものです。『愛着障害』と聞くと自分は問題がないと思う方が多いかもしれませんが、私はこの本を読み自身の愛着のパターンが分かったり、問題を抱える人たちの背景について知ることができ、自分が担当している子どもの特徴や接し方を学ぶことができました。
今回は導入の話です。これからの物語の主人公は、小学校教諭であり母親でもある女性です。
この後、スクールカウンセラーとの会話により、周平くんの問題行動の原因が明らかになってきます。 これからは『愛着』と言うキーワードで子育ての仕方を考察していきます。
『愛着障害の克服』から学ぶことができること
本書からは、次のようなことを学ぶことができます。
・問題行動の根本原因のひとつは不安定な愛着
・愛着は、根本的な問題の改善に関わる最も重要な回復因子
・医療モデルと愛着モデルの比較
・愛着の発見の歴史(ジョン・ボウルビィらの研究)
・安定した愛着があるとどうなるのか
・問題行動がある人、問題を抱えている人を愛着視点から考察
・愛着障害のパターンを抱えている人への関わり方
・自分の愛着パターンが分かるかも
・子育てで大切な愛着の形成のために何ができるか
愛着は人が生きていく上でとても大切な要素ですので、生き辛さを抱えている人、周りに辛そうな人がいる人、過去苦しかった人は、なぜそうなのかを知ることができるきっかけになるかもしれません。
むすび
同業者が担当している施設の子どもが、先日の家族との外出で、軽井沢のペンションに旅行に行ってきたと言っていました。両親との外泊で高級なステーキ屋さんに行ったと話していた子どももいたそうです。しかし、この子どもたちは虐待や心身に問題があり施設入所した経緯があります。
その話を聞いて思ったのは、いくらお金があって裕福な暮らしをしていても、必ずしも子どもにとって豊かな状況ではない場合もあると感じました。子どもにとっての幸福のためには、今回がテーマになるような愛着の形成や、心身共に健全に幸福に生きるための土台作りが大切だと感じています。
参考にさせていただいた本
愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる(岡田尊司さん著)