今回の記事は、心理学者であるハイム・G・ギノットさんの書かれた著書『子どもの話にどんな返事をしてますか?』を参考にしています。
罰を受けて帰ってきた子どもに対して
イラストの最初に紹介されているように、子どもが「学校でみんなの前で怒られた」と言ってきた時にはどのような話をしていますか。私は今まで子どもに根掘り葉掘り状況を聞いて、改善案を見つけるような関わりをしていましたが、話を終えても子どもは納得したような様子は全く見せませんでした。
本には、子どもがみじめな気持ちで帰ってきた時、すでに他で罰を受けているので、親がそれ以上指導する必要はないと書かれていました。
子どもが話をしてきた時に、まず親がすべきことは『決まりが悪かったでしょう』とか『恥ずかしかったね』と、その時の感情を認めることで、怒られた時の感情が、人として当たり前の感情であることを伝えることだそうです。
子どもの不満を代弁する
イラスト3枚目のように、子どもが「先生勉強を出しすぎ、1日じゃ終わらない量」と苛々している時はどのように対応しますか。今までの私だったら、「でも出されたんだからやるしかないじゃん」とか、「私も仕事沢山振られる時あるけど、文句言わずにやってるよ」と伝えてしまっており、子どもの気持ちを汲み取れてはいませんでした。こんな対応をしていたら、子どもは大人に反発することに忙しくなって、自分の気持ちと向き合えない上に、大人が味方にはなれずに心を閉ざしてしまうように感じました。
もし子どもの気持ちを想像し、「明日まで終わるか不安なんだね」、「だんだん勉強が難しくなってきたもんね」と返すことができたら、子どもは分かってもらえたと感じ、不安や苛々をどうにかする方向へ向かうのではないかと言うことを学びました。
子どもは極端
著者は、子どもの不満は極端であると言います。例えば、
『お母さんは私に何も買ってくれない』、
『お父さんは私のことどこにも連れて行ってくれない』、
『お母さんはいつも遅れる』など、
0か100かで話をすることがあります。しかし子ども達の不満には、要望が隠れていることがあるので、その不満の裏に隠された本当の気持ちを見つける必要があります。子どもの気持ちを代弁するような対応をして、極端な表現を慎むことで、子ども達へ教えることができるそうです。
例えば何も買ってくれないと言う子どもに対しては、『何か買ってもらいたいものがあるのね』と返したり、いつも遅れると言う子どもに対しては、『私を待っているのが嫌だったのね』と返したり、子どもの本当の気持ちを汲み取るような関わりをしていくことで、子ども達も、自分の本当の気持ちを見つめて他者と関われるようになっていくのではないかと感じました。
むすび
今まで私は、親の役割は子どもを正しい方向へ導く必要があると思っていました。しかし、この本を読んで、全て親が頑張らなくても良いのではと言うことに気付きました。
子どもは、保育園幼稚園を始め、社会に出ていくようになると、その場で何かを学びます。時には怒られ指導されることもあるのだと思います。この時に大切なのは、子どもの悪い行動に指摘をするのではなく、怒られたと言う時の感情は否定せずに、肯定して関わっていきたいと思いました。感情を受け止めてあげるだけで、子どもも改善するべき事実に向き合えるようになるのではないかと感じました。
参考にさせていただいた本
子どもの話にどんな返事をしてますか?(ハイム・G・ギノットさん著)