今回は、土岐圭子さんの書かれた『教師学入門』と言う本を参考にしています。
子どもが適切ではないと思われる行動をしている時、私はどのように伝えたらよいか分からず困っていました。今回はその伝え方について学びました。
指示や注意は、子どもに受け入れられにくい
大人が子どもを見て「イヤだ」「変えた方がよい」と思うと、大人は何かしらの言葉かけをしていきます。
その際、次のような言葉かけはあまり好ましくないと、著書に書かれていました。
1.命令・指示
「静かにしなさい」
2.注意・脅迫
「騒ぐと点数あげないよ」
3.訓戒・説教
「授業中は、静かに聞くべきだ」
4.講義・理詰めの説得
「授業を聞かなければ、わかるはずがないだろう」
5.助言・解決策の提案
「しゃべりたいなら外に行きなさい」
6.非難・批判
「うるさい子ね」
著書には上述するような12種類の言葉かけが紹介されていますが、このように言われた子どもは、自尊心を打ち砕かれたり、罪悪感を持つ、自分の考えを変えたくないと反抗的になる、自分を人間扱いしてくれないと感じるそうです。
あなたメッセージとわたしメッセージ
子どもへ大人の考えを伝えるのには、2つの方法があると紹介されています。例えば静かにしてほしい場合、『(あなたは)静かにしなさい』と伝えるのは、主語が『あなた』なので『あなたメッセージ』。この場合、大人の考えていることが伝わらず、子どもは自分の行動がよくないと判断を下されたので、子どもは自分が責められたと解釈される可能性があります。
もう一つの伝え方は、大人自身を主語にする『わたしメッセージ』。わたしを主語に大人が自分の思いを語るのです。例えば『あなたがおしゃべりをするので、(私が)授業が勧められなくて、苛々する』と伝える。人は、自分の行動が、他人に迷惑をかけていることに気が付いたり、損失を与えているこどが分かると、自分で行動を変えなければと思うことができる場合があると言うのです。
わたしメッセージのメリット
わたしメッセージの特徴の1つは、相手が評価されたり非難されたりしないことです。自分の気持ちを正直に伝えるだけなので、子どもは自分が責められているとは感じずに耳を傾けやすくなります。大人が困っている、不快だと言う感情を表されることで、子ども自身が他者に及ぼす影響を学ぶことができ、大人の力になろうと子どもの心が動きやすくなるそうです。確かに、自分のせいで誰かが不快になることが分かったら、改められる行動は改めようと思うことができると考えられます。
また、相手にしてほしい行動を具体的に示していないと言う点も特徴の1つです。何をしろとは言っていないので、子ども自身がどのように行動をしたら良いのかを考え、動くことができ、行動が主体的になります。
わたしメッセージの伝え方
著書には、大人が子どもへ自分の気持ちを伝える時に、3つの要素がある事で効果的になると紹介されています。
①受け入れられない生徒の「行動」
具体的に、非難がましくなく、事実を述べる
「授業中、生徒Aが私語をする」
②生徒の行動が与える「教師の具体的な影響」
「授業中に集中できなくて」
「授業が進められなくて」
③教師の内部で引き起こされる「感情」
正直に、素直に。
「困る」
「イライラする」
むすび
最近の私は、子どもとの関わりで悩んでいました。その理由は、私が不快だと思っていることを、子どもに『次からはこうして』『時間は守って』などと伝え続けてきたのに、子どもは一向に改善する気にはなっていなかったからです。子どもとの関係も微妙になることもあり、しんどい時期が続いていました。しかしこの教師学と言う本から、自分の気持ちの伝え方を学び、もっと、人としての気持ちを表現していこうと思いました。
参考にさせていただいた記事・本
以前、なかむらみかさんのブログで、『親業』と言うものがある事を知りました。興味があると反応したところ、親業と根本が同じ、教師学の方が実践で活用できるので、と教師学を紹介していただき、今回の学びにたどり着きました。親業の本もこれから読んでいきたいと思います。なかむらみかさん、貴重な情報を、ありがとうございます!
教師学入門(土岐圭子さん著)