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大阪二児置き去り死事件8 -母親の幼少期から、事件までのまとめ-

今回は大阪二児置き去り死事件の総括になります。

2010年の夏、マンションに2人の幼い子どもが50日間放置されて亡くなりました。この事件の詳細については、杉山春さんの著書『ルポ虐待 -大阪二児置き去り死事件』から学びました。

子どもたちを置き去りにした母親の名前は、ここでは芽衣さん(仮名)と呼びます。

※この本は多くの人の証言を参考にしており、事実ではない部分が混ざっている可能性もあります。

芽衣さんの幼少期

芽衣さんが幼い頃、芽衣さんの母は父に不倫現場を発見されて子ども達と家を飛び出しましたが、芽衣さんはそこから半年以上、ネグレクトや精神的な虐待を受けて育てられました。

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芽衣さんの母自身も不適切な環境で育った背景があり、虐待が連鎖しています。連鎖を断ち切るためには、その家庭以外の第三者が介入する必要があると考えられます。なぜなら親自身が適切な養育を知らなかったり、余裕がない状況の中では、その家庭内ではどうすることもできないことが想像できるからです。

私たちの身の回りで、苦しんでいる子どもがいた場合は通告する義務があります。電話で189に発信すると、児童相談所に繋がります。芽衣さんは父に助けられ、母から引き離されることができました。しかし芽衣さん自身の子ども達は、芽衣さんから引き離されることはなかったので、子ども達は命を落とすことに繋がりました。

芽衣さんの小中学校時代

その後芽衣さんは父に育てられ、食事と運動は徹底させられていましたが、芽衣さんの心は受け止めてもらえる関わりはしてもらえませんでした。

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小学校時代の芽衣さんは勉強もスポーツも優秀でしたが、その抑圧していた感情が爆発し、中学時代非行に走ります。

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良好な人間関係が構築できない関わり方や、困難な状況に陥った時に逃げてしまうおうと言う思考は、すでに中学生の頃にはすでに現れていたのです。

いい方向へ変わった高校生活

芽衣さんは高校時代、関東に下宿して生活をしていましたが、その時に母代わりになってくれていた人の存在により、大きく変化します。

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人はいつでも、どこでも、自分自身を受け入れてくれる存在がとても大切であり、それにより立ち直る可能性があると感じました。

あっけなく決まった離婚と、犠牲になっていった子ども達

結婚生活当初は順調でしたが、芽衣さんの浮気や問題行動が出てきて、あっけなく離婚が決まりました。

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しかし、子ども達の養育費をどうするかや、夫と子ども達はどのような頻度で会うかは一切話し合われず、芽衣さんが全てを背負う形で家を出ていきました。

離婚後も芽衣さんから定期的に連絡を取っていましたが、元夫からは1度だけしか連絡をせず、芽衣さんがSOSを出した時も助けずに、子ども達とも殆ど会うことはありませんでした。

芽衣さん周辺の人が子どもを守ろうと言う考えを持ち、行動を起こしていれば状況は変えられたと思います。

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離婚後、『子ども達と自分のことは、なかったことにしたかったのかな』と感じた芽衣さんは、そこから生活が激変し、離婚して初めて恋人を作りました。そこから家に帰らないことが増え、その後子ども達を死なせてしまいました。

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2歳の娘は、泣くことによってSOSを出していましたし、それに気付いて通報する人もいましたが、そのマンションに住民票の記載がない、何度訪問しても出ないからと言う理由などから、子どもの懸命な訴えが届きませんでした。

むすび

かけがえのない子ども2人の命が失われた悲しい事件でしたが、その事件に至った背景を知ると、母親だけが悪いわけではなく、と言うか母親も被害者の1人であり、いくつもの不幸な出来事が重なって子ども達を死に至らしめました。

この話を知って感じたことは、いくら二十歳を過ぎたからと言っても、成熟した大人とは言い切れない人もいることを感じました。私自身も精神的に落ち着くまで30年近く経ちました。

その人が何歳であっても、その人が生きてきた背景や状態を配慮しながら関わることが大切だと感じました。

参考にさせていただいた本

ルポ虐待 -大阪二児置き去り死事件(杉山春さん著)