今回は、1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件について、事件概要から事件までの経緯についてまとめていきます。
事件は1997年におこりました。小学生の男女5人が襲われ、2名の児童が亡くなる悲惨な事件でしたが、犯人は当時14歳の少年Aでした(以下Aと称します)。
Aから見た子ども時代は、祖母の存在が大きかったことが記されていました。親には叱られる状況の中で、祖母だけは、ありのままのAを受け入れてくれる存在でした。
しかし祖母を失ったショックから、Aは死について疑問が湧くようになり、虫が死ぬ様子を観察するようになります。そして祖母の愛用していたマッサージ機をたまたまペニスに当てた時に精通を経験し、その時に死と性的興奮が連結され、虫や猫を殺す時に性的興奮を感じるようになりました。
親の関り
Aの子ども時代は、体罰を伴うしつけがなされていました。
また母には、少年を理想の姿に仕立て上げようと言う攻撃的な姿勢もありました。
Aの親のように一方的な子育てをしてしまうと、子どもの心を殺してしまうのではないかと感じましたし、子どもの特徴や子どもの求めていることを踏まえたうえで関わる必要があると思いました。
そして弟が産まれてからは、弟たちに暴力を振るうようになりますが、その時も体罰により叱られ押さえつけられていました。
そしてAは小学校を卒業するあたりから、非行が顕在化されるようになります。親は説教を続け、脳や知能の検査を実施しましたが、非行は一向に改善しませんでした。状況は良くならないまま、Aは悲惨な事件を起こしてしまいます。
まとめ
中学生にして無差別に殺人を犯したAの背景を知りたくて本を手に取ったのですが、Aには複雑な過去があることが分かりました。もちろんAが元々持っていた性格が環境と掛け合わさってしまったことも考えられます。Aは体罰を受けながら躾けられ、学校では勉強にもついていけず、人との関わり方にも悩み息苦しさを感じていたのではないかと想像できます。
虐待は連鎖すると言われますから、Aの母も不適切な養育を受けていたことが想像できます。しかし、子どもを産み育てると言う尊いことをする以上、少しでも良い子育てとは何かを考え続ける必要があるのではないかと感じました。